反安倍票を掘り起こす共産「不破人気」の威力 不破氏は共産党公認候補以外の応援にも

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神奈川選挙区と埼玉選挙区が不破氏の演説先として選ばれたのは、そんな不破氏のパワーに頼ろうという魂胆だ。同党の公認候補はいま、いずれも当落線上にいる。

「東京選挙区の山添拓候補と大阪選挙区の渡辺結候補はすでに当選圏内に入ったが、神奈川と埼玉はあとひと押しの状態だ。そこで不破氏が応援に入ってテコ入れを図る。とりわけ神奈川は不破氏の住居があるところで、以前にも浅賀氏の演説会に夫婦そろって参加したこともある」(共産党関係者)。

共産党公認候補以外の応援にも駆け付け

さらに今回の参院選では、不破氏は共産党公認候補以外の応援にも駆け付けている。不破氏の山梨入りは共産党のイニシアティブで実現したという。「山梨選挙区はいち早く野党共闘が成立した選挙区である上、与野党のせめぎ合いが激しく展開されているところ。共産党から応援の申し出があったと聞いている」(民進党関係者)。

これまでなら不破氏が他党の候補を自ら応援に出向くなど想像すらできなかったが、共産党関係者は「自然なことだ」と断言する。「山梨選挙区は不破氏が住んでいるところから車で1時間ほどと近い。共産党も応援しているのだから、不破氏が行って不思議はない」。

「人殺し予算」との問題発言を受けて藤野保史氏が政策委員長を辞任している(共産党「人殺し予算」発言のボディーブロー)。これは選挙戦緒戦における大きな逆風だったが、それを吹き飛ばすだけの勢いが共産党にはある。明らかなのは、この選挙戦において野党が躍進するかどうかのカギを握っているのは共産党である、ということだ。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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