「JR中央線」住みたい沿線で断トツ人気の理由 7路線を比較して浮かび上がった強みとは?

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中央線の強さはむしろ「中央線快速」というだけあって、各駅に停車する列車であってもめっぽう速いことにある。中央線快速の所要時間は36分。他線の各駅停車の所要時間は47~57分だ。36分は、むしろ他路線の特急クラスの所要時間に近いのだ。

中央線の新宿―三鷹間は中央・総武緩行線が並行して走っており、これが他路線の各駅停車の役割を果たしているともいえる。その意味では、中央線の速さの理由は、中央・総武緩行線を合わせた輸送力の高さにあるといえる。

郊外に行くほど強さを発揮

中央線の速さは郊外に行くほど強さが発揮される。中央線の立川からどの列車に乗っても36分以内に新宿に到着するのだ。一方で、田園都市線の場合、中央林間から渋谷まで所要時間30分台の急行は82本だけ。どの路線も、郊外から都心へアクセルする利便性は中央線に比べると見劣りする。

なお、輸送力という点においても、「始発と終電の時間を比較して中央線はトップレベル」(杉原氏)。たとえば中央線快速の新宿発立川行き最終電車は0時41分。一方、小田急線の新宿発町田行き最終は0時38分で、田園都市線の渋谷発中央林間行き最終は0時15分だ。

始発は、中央線快速の立川発新宿行は4時35分。小田急線の町田発新宿行き4時55分。田園都市線の中央林間発渋谷行き5時12分と比べると、中央線は朝早くから夜遅くまで走っている。

中央線の強さの第2の理由として、杉原氏は「駅の少なさ」を挙げる。確かに対象区間の約30キロメートル圏でみると、中央線は15駅しかない。他路線の多くは26から27駅で横並びの状態だ。中央線各駅停車の所要時間が短い理由の一つが駅数の少なさにあることは間違いない。

一方、京急は特急・急行系列車の所要時間が26分で7路線では最速となっているが、逆に各駅停車の所要時間は最短でも57分、時間帯によっては80分を超える場合もある。これは駅数が32あるのに対して、特急・急行系の停車駅が8駅しかないため、多くの駅で速達列車の通過待ちを余儀なくされているためだ。

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