【株式・大引け】日経平均は大幅続伸 政権交代の期待感

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15日の東京株式市場は日経平均株価が2日続伸、TOPIXは6日ぶりに反発した。前日の米国株に続き本日のアジア株も軟調だったが、政権交代への期待感から買われた。日経平均の終値は前日比164円99銭高の8829円72銭、TOPIXは同15.10ポイント高の737.51。東証1部の出来高は概算で22億2403万株、売買代金は1兆2484億円となり、市場エネルギーも膨らんだ。売買代金の1兆円超えは6日ぶり。

 前日の米国株は大幅続落。本日のアジア株も習近平氏が共産党総書記に就任した中国をはじめ総じて軟調に推移した。ところが、前日に野田佳彦首相が16日の衆議院解散を明言したことから、政権交代への期待感が高まり、日本株を押し上げた。次期政権がデフレ脱却に向け日銀への金融緩和圧力を強めるとの観測が浮上、為替も円安に傾いたことが買い材料となった。13日までの下げで、日本株に値頃感が強まっていたことも支援材料だった。

 本日の日経平均は39円高で寄り付き、前引けは83円高。昼休みのバスケット取引は94億円の成立で売り買い均衡と伝えられた。また、前場途中から始まったアジア株も総じて軟調に推移したものの、後場に入ると先物主導でジリジリと上げ幅を拡大。結局、本日の高値で大引けとなった。

 東証33業種別では29業種が上昇。上昇率トップは金利低下のメリットを受ける鉄鋼で、証券、輸送用機器、保険が続いた。下落率トップは食料品で、情報通信、小売り、医薬品の計4業種が下落。東証1部の80.2%に当たる1350銘柄が値上がりし、14.8%に当たる250銘柄が値下がり、変わらずは83銘柄だった。

 個別では、アイロムホールディングス、ランドビジネス、サンフロンティア不動産が大きく上昇。このほか不動産や建設などの内需関連、ホンダやトヨタ自動車、コマツといった輸出関連も幅広く買われた。一方、JUKIやソニーが売られた。

 新政権への期待感から本日の東京市場は大幅上昇となったが、米国の「財政の崖」への警戒感はなお続いている。中国も景気減速感が強まり、欧州でも債務不安が続く状況は変わらない。楽観的になるにはまだ早く、今後も海外市場を見極める必要がありそうだ。

柿沼 茂喜 東洋経済 記者

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かきぬま しげき / Shigeki Kakinuma

入社以来、一貫して記者として食品・外食、金融・証券、電力・ガス・石油、流通、精密機器、総合電機、造船・重機などの業界を担当。この間、『週刊東洋経済』『会社四季報』『金融ビジネス』の各副編集長、『株式ウイークリー』編集長、編集局次長などを経て現職。

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