団地の空間政治学 原 武史著

団地の空間政治学 原 武史著

今や居住者の6割が、60歳以上の定収入のない年金中心の老夫婦か単身老人という大都市圏の住宅団地。この全国で76万戸を数える団地にも、かつて高度成長期にかけ、勤労者のあこがれのベッドタウンであった栄光の時代があった。

本書は、主に栄光の時代に当たる1950年代後半から70年代前半にかけて、その団地を政治思想史の観点から考察する。

そこでは、高度成長期に燦然と輝いていた団地文化が明らかにされる。大阪枚方・香里団地から多摩ニュータウンまで東西の団地を俎上に載せ、ソビエト型で設計が始まる歴史的成り立ちや、ただのベッドタウンにはしなかった住民意識、さらに沿線の鉄道に及ぼした一筋縄でいかない影響などを仔細に検討し、さらに団地自治の実態とその政治性も明らかにする。

フィールドワークを重ね、挫折への歴史にも踏み込む。知られざる「もう一つ」の戦後庶民像が浮き彫りにされる力作だ。

NHKブックス 1260円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • ブックス・レビュー
  • 不妊治療のリアル
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
大物経営者でも容赦なし<br>株主総会で支持率低下続出

LIXILグループなど、株主総会における株主提案が存在感を増している。取締役選任決議を独自に調査し、否決5人を含む賛成率の低い30人と、対前年で賛成率悪化幅の大きい200人のリストを掲載。社外取締役に対する株主の視線は厳しい。