昭和史 1926−45[上]/1945−89[下] 中村隆英著

昭和史 1926−45[上]/1945−89[下] 中村隆英著

昭和史ブームの先駆けとなった大著が文庫本として復刻された。20年近く経つが価値は減じていない。上巻では大正デモクラシー後から敗戦まで、下巻では占領から高度成長の終焉まで、日本経済史の第一人者ならではの重厚な論究がなされている。経済に偏らず政治・産業・社会・国民生活・文化などバランスの取れた記述と、事件・事象の経済的背景がしばしば述べられるところが特徴である。

上巻から下巻途中(高成長前のいわゆる「戦後」)までが特に興味深いのは、それ以後の時期が「歴史」になりきっていなかったせいもあるかもしれない。とかく無味乾燥になりがちな学者風論述を避けるために、さまざまなエピソードや自らの体験を交えて読者の興味をつなごうとした努力も、第20回大佛次郎賞受賞の一因だったろう。社会に影響を与えた思想に再三、言及する試みも著者ならでは。索引とともに、その後の昭和史発掘本を読む際の資料としても便利である。(純)

[上] 東洋経済新報社 980円

  

[下] 東洋経済新報社 980円

  

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集中連載「日立 踊り場の先へ」<br>世界で戦える組織へ

成長を確実にする組織の根幹を成すのが、研究開発と人事である。研究開発体制は2015年4月、各研究所に横串を通し、顧客起点の組織に生まれ変わらせた。人事制度もグローバル化がほぼ完了。踊り場から飛躍へ、日立の地固めの様相を追う。