打倒ギネスなるか--。サッポロビールが独自の黒ビール投入へ

打倒ギネスなるか--。サッポロビールが独自の黒ビール投入へ

サッポロホールディングス傘下のサッポロビールは7月3日から黒ビール「ヱビス スタウト クリーミートップ」を業務用向けに販売を開始する。まずは洋食業態を中心に年間1000店での取り扱いを目標に展開、10万ケースの販売を目指す。

商品発表の記者会見会場に入る直前に手渡されたのは、グラスに入った生ビール。「クリーミートップ」はその名の通り、やや薄色の黒ビールのうえに、しっとりなめらかな白い泡がこんもり。今回は「日本人のテイストに合う」黒ビールの開発に向け、ヱビスの酵母を使用したほか、糖化行程で温度を徐々に上げていく製法でやわらかな味わい作りを目指した。従来の、香りやクセの強い黒ビールと差別化することで、若年層や女性の取り込みも視野に入れている。

サッポロが主力「ヱビス」の名を冠してまで黒ビールを投入するのは、長らく同社が扱ってきた英ディアジオの「ギネス」の販売が、この6月で契約切れとなったからだ。同社は1964年にギネスの国内販売権を取得して以来、40年以上にわたって扱ってきたが、今年6月にその販売権をキリンに奪われており、クリーミートップはその代替品となる公算だ。

もともと「40年以上前からスタウトの開発をやろうという話もあり、技術的な蓄積もあった」(同社)が、ギネスとの契約もあって実際には作ってこなかった。しかし、契約切れを直前に控えた5月には開発に着手、最盛期の7月に向けてなんと2カ月で販売にこぎつけた。

価格は通常のヱビスより若干高い程度を想定している。サッポロはすでに黒ビールの「ヱビス<ザ・ブラック>」を扱っているが、同商品が和食店を中心に展開しているのに対して、クリーミートップは洋食業態を攻めていく考え。

ギネスはいわゆるパブ業態中心の展開だったが、クリーミーはカフェなどでの取り扱いを視野に入れている。黒ビール取扱店は全国で8000~1000店程度、販売数量では年間60~80万箱(サッポロ推計)。市場としては大きくないが、商品の可能性は高いとみて、「総需要の拡大を図りたい」(同社)としている。

ギネスは知名度に加え、安定的な人気があり、3月に開かれた今年の株主総会でも「契約が切れるのは非常に残念」と株主から声があがっていた。趣向の違うクリーミートップがギネスの代役を果たすことができるのか、注目されるところだ。
(倉沢 美左)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2008.12  414,558 14,685 10,526 7,640
連本2009.12予 408,000 12,000 8,500 3,000
連本2010.12予 413,100 14,700 11,200 3,200
連中2008.06  193,486 1,157 -790 9,594
連中2009.06予 188,400 -2,000 -3,200 -3,700
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2008.12  19.5 7 
連本2009.12予 7.7 7 
連本2010.12予 8.2 7 
連中2008.06  24.5 0 
連中2009.06予 -9.4 0 

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