自治 シリーズ 後藤新平とは何か 後藤新平著
後藤新平の提唱した行動原理に「自治の三訣」がある。「人のお世話にならぬよう、人のお世話をするよう、そしてむくいを求めぬよう」というもの。後藤はこの三訣を、個人から地域や各種組織、さらに地方自治、国家のあり方まで通ずる原理として提唱している。
生誕150年余、没後80年の後藤は、医学者として出発し、のちに行政官を経て政治家として、明治から昭和初期にかけ、幾多の業績を上げた。著作も膨大にあり、その「思想」は現代性を失っていないといわれつつも、分野が多岐にわたるだけに、その本質をつかみ取るのは難しかった。
本書は、そのキー概念を軸に論考を整理したシリーズの第1作。「自治」を考えるのに好適な主要な論考に加えて、それに基づく現代の識者による寄稿が理解を助けてくれる。なかでも、東京市政刷新を唱導、関東大震災後の復興計画を策定しただけに、地方自治のあり方を再考するのに格好の礎材を提供してくれる。
藤原書店 2310円
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