松本清張を推理する 阿刀田高著
今年生誕100年を迎えた作家・松本清張。同じく作家である著者がその小説作法の秘密に迫った。
著者はミステリーを、清張登場以前は探偵小説、清張以後が推理小説と分けている。探偵小説がプロットの巧妙さや探偵の超人的推理に主眼を置くものだとすれば、推理小説は犯罪の動機やその社会性、あるいは人間ドラマを重視したものだと説く。この画期的な転換を果たしたのが、清張をもって嚆矢とする。
「点と線」「ゼロの焦点」「砂の器」など、代表作を一つひとつ丁寧に例証しながら、作家が何にインスピレーションを得、どんな試行錯誤のもとに物語を構築しえるのかを、同業者ならではの苦悩も含めて解説している。
朝日新書 777円
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