名古屋・不動産市況--トヨタショックが直撃!!寒風吹きすさぶ繁華街《不動産危機》


住宅も高額ほど売れ残り 業者破綻で「大手」志向も

しかし、地価、資材ともに価格が沈静化して、開発が動きだしたところへ、不況の波が襲ってきた。

東京ではマンション投げ売りまで起こっているが、名古屋はそこまでは行っていない。しかし、売れ残り物件が目立つようになってきたことは事実。「表面化はしていないが、相対では値下げ交渉が行われており、物件によっては2~3割引きされている」(地元マンション業者)。マンションで売れ残りが目立つのは高額物件。たとえば高層マンションの最上階だ。「好景気のときは上のほうから売れるが、不景気になると下から売れる」(同)。5億円といわれた高層マンション最上階の一室が、今は3億円程度に値下げして売られているという。

東京とは違い、名古屋特有の住宅に対する考え方がある。「駅近、南向き」で駐車場が確保できることが最低条件。そして価格3500万円以下が売れ筋物件となる。名古屋地区では戸建てに対する需要が根強く、4000万円以上になるとマンションではなく、戸建てを買う。「不景気になっても潜在的にマンションも戸建ても需要はあるが、価格には敏感だ」(開発業者)。

最近では、さらにブランドも気にする動きが出ている。富士ハウスや東新住建など中部地区の住宅メーカーや開発業者の破綻が相次いだため、大手不動産業者が開発する物件の人気が高いという。住宅の質だけでなく、「信用」を住宅を買う条件に挙げる消費者は少なくない。

トヨタ景気が崩壊した今、名古屋経済はかつてない苦境に陥っている。しかし、名古屋市内はいいほうで、周辺地区に行けば、状況はさらに深刻だ。大型の開発計画は延期、または凍結されるところもあるが、「すでに大型商業施設と併せて開発が進んでいるところは、今後、宅地開発が進まず、商業施設も売り上げ不振で撤退なんてことが起こる可能性はある」(ある開発業者)。

“トヨタ一本足経済”とも揶揄された名古屋経済。そのトヨタの業績悪化は、不動産の価格動向にも大きく影響している。地価下落は当面続きそうだ。

(週刊東洋経済)

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