ソフトバンクグループ、O2O市場ナンバーワンを狙う孫社長の新たな野望(前編)《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》

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喜多埜氏は、ビッグデータの活用まで視野に置いてみせる。O2O市場でナンバーワンを取るためには欠かせない要素の1つと見ているのだろう。

日本のO2O市場で圧倒的ナンバーワンを取る。オンラインでもオフラインでも1つのアカウントで決済ができ、すべての買い物ができるようになる。これこそが、孫氏が描くO2Oでの究極の野望だという。

孫氏は、常々「関所ビジネス」をやりたいと標榜していた。関所を通過することで、おカネが落ちていく仕組みを作る。24時間365日。究極の儲かる仕組みだ。「PayPal Japan」で、オンライン・オフラインの両方で決済ナンバーワンを取れば、これはまさに関所ビジネスの典型だ。

孫氏は、つねに新しいIT革命を先頭に立って切り開いてきた。

Yahoo! JAPANの設立、Yahoo!BBによるブロードバンドの普及、ボーダフォン買収で携帯電話事業に参入、iPhoneやiPadの大ヒット、といったように、現状の枠組みやしがらみにとらわれず、つねに新しいビジネスに挑戦し、勝負し続けてきている。

孫氏は、「勝率7割で勝負してナンバーワンを取る」とよく言う。

PayPal JapanやO2Oビジネスについても同様なのか。

「そう思う。むしろもっと勝率高くいかないとまずい分野だ」と喜多埜氏は、力を込める。

喜多埜氏自身の掲げる目標も高い。

今後2年間で、PayPal Japanとして、単独ビジネスの営業の単月黒字転換を目標にするという。まさに他の企業の追随を許さないスピード感だ。

ソフトバンクグループの掲げるO2O市場での圧倒的ナンバーワンは、どのように実現していくのか。後編では実践編として、より具体的な施策に踏み込んでいこう。

(ITアナリスト・松浦由美子 撮影:尾形文繁、引地信彦 =東洋経済オンライン)

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