"老眼"がターゲット?とくにスマホで見るときは注意《「見間違い」を狙う巧妙な詐欺》偽メールや偽アカウントにだまされないで

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やがて、「独自の投資アプリがある」などの謳い文句で、詐欺師が作成したサービスへの登録を勧められる。まずは少額から専用サービスへの入金を勧められ、実際に投資を行うと専用サービスで見せかけの利益が表示されるようになる。これで、自分は儲かっていると信じて、さらに入金してしまう。

しかし、いざ儲けを出金しようとすると「手数料の支払いが必要」「税金が未納」などの理由をつけ、出金することができない。やがて、詐欺師と連絡が取れなくなり、投資した金銭は戻ってこない。

「そんな簡単な手口に引っかからない」と思うかもしれないが、実際の件数と被害額を見ると、詐欺師がいかに巧妙に仕掛けるのか理解できるだろう。

なりすましアカウントの見破り方

SNS型投資詐欺にだまされないために、ここではまずInstagramのなりすましアカウントの見破り方から解説する。

Instagramのなりすましアカウントは、知り合いのプロフィールをコピーしているものの、即席で作成しているため、投稿数が0であることが多く、フォロワー数は少なくてフォロー数が多い。ほかのプラットフォームへのリンクや認証バッジなどもない。

疑問に感じたときは、その人の名前でInstagramを検索したり、自分のアカウントのフォロー欄を見ると、本物のアカウントが別に存在することを確認できるかもしれない。

また、投資に関するLINEグループへの誘いは無視する。LINEには有益なLINEグループもあるのだろうが、こうしたなりすましアカウントが招待するLINEグループは詐欺師の作成したグループだ。メンバーも全員詐欺師によるサクラかもしれない。

なりすましアカウントのプロフィール画面
なりすましアカウントのプロフィール画面からなりすましを報告できる(写真:筆者提供)

個人情報を守ることも大切だ。身分証明書や銀行口座を教えてしまうと、ほかの詐欺師グループに共有されてしまう可能性がある。なりすましアカウントからDMが来た場合は、相手をブロックし、Instagramに「報告」すると被害の拡大を防げる。

自分のなりすましアカウントを作られないための手立ては現時点では存在しない。そのため、なりすましアカウントを作られてしまった場合は、いち早く「このアカウントはなりすましです」と周囲に注意喚起を行うと同時に、Instagramに報告してもらうように呼びかけるといい。報告が多いとInstagramがアカウント削除などの対応を行ってくれるので、その日まで注意喚起を続けるとよい。

紛らわしいドメインやメールアドレス、SNSアカウントなど、ネットには様々なリスクが付きまとう。最大の防御は、ITリテラシーを上げることだ。「何かおかしい」と少しでも思ったら、手を止めて、類似のケースはないか調べてほしい。

東洋経済Tech×サイバーセキュリティでは、サイバー攻撃、セキュリティーの最新動向、事業継続を可能にするために必要な情報をお届けしています。
鈴木 朋子 ITライター・スマホ安全アドバイザー

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すずき ともこ / Tomoko Suzuki

メーカー系SIerのSEを経て、フリーランスに。SNSなどスマートフォンを主軸にしたIT関連記事を多く手がける。10代の生み出すデジタルカルチャーを追い続けており、子どもの安全なIT活用をサポートする「スマホ安全アドバイザー」としても活動中。著作は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など多数。
http://tomoko.chu.jp/

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