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スターバックスが中国事業を「ディスカウント売却」の厳しい現実。自前主義を捨てて巻き返せるか

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スターバックスは1999年、上海市に第1号店を出店し、入れ立ての本格コーヒーを楽しむ文化を中国に広めた。商品やサービスの品質を維持するため、アメリカ本国と同様に直営方式の出店戦略をとり、高付加価値路線を徹底して高いブランドイメージを確立。中国のコーヒーチェーン市場で長らくトップの座に君臨していた。

スターバックスの高付加価値路線への執着は、中国で高いブランドイメージを築いた一方、地場系チェーンの台頭を許す一因にもなった。写真は天津市の店舗内(同社ウェブサイトより)

ところが、5~6年前から市場の様相が大きく変わり始めた。瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)や庫迪咖啡(コッティコーヒー)など地場系の新興チェーンが低価格を売り物に出店攻勢をかけ、スターバックスの市場シェアを蚕食したのだ。

瑞幸咖啡は21年に(中国国内の)店舗数でスターバックスを抜き、中国最大のコーヒーチェーンに躍進。23年には売上高でも上回り、名実ともに最大手となった。スターバックスは庫迪咖啡にも24年に店舗数で抜かれ、チェーン規模では今や中国第3位に後退している。

地場系チェーンの急成長の原動力は低価格だけではない。スターバックスが直営方式にこだわり、ゆったりしたスペースを持つ大型店を主力にしているのに対し、地場系チェーンはテイクアウト主体の小型店をフランチャイズ方式で展開し、驚異的なスピードで店舗網を拡大。最大手の瑞幸咖啡の店舗数は、25年6月末時点で(スターバックスの3倍以上の)2万6000店を突破した。

既存店の客離れ防げず

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