パスワード付箋でペタッ、サイバー攻撃が急増する傍ら「脆弱だな!」のツッコミでセキュリティ界に新風《ゲームプログラマーが芸人になった》訳
アスースンさんが「セキュリティ芸人」というコンセプトを思いついたのは、2019年、大学院1年生の時だった。
きっかけは、情報通信研究機構(NICT)が主催するセキュリティ人材育成プログラム「SecHack365」への参加だった。このプログラムは、セキュリティと何かを組み合わせて1年間でもの作りを行う、ハッカソンのような形式をとっている。
もともとアスースンさんは、中学時代からゲーム制作、高校では情報オリンピックに挑戦するなど、プログラミングに強い関心を持っていた。大学で情報工学科に進学後、IPA(情報処理推進機構)の国家資格を取得する過程でセキュリティ分野に興味を抱き、CTF(Capture The Flag)と呼ばれるセキュリティ競技の魅力に触れ、セキュリティキャンプにも参加。その流れでSecHack365にチャレンジすることにした。
「SecHack365では1年間にわたるハッカソンのようなプロジェクトがあり、自分が得意なコンテンツ制作を生かせそうだと思いました。4つ提案したうちの1つに、セキュリティと自分の好きなお笑いを組み合わせた『セキュリティ芸人』を思いつき、実際に採用されました」(アスースンさん)
ちなみに、応募したほかの3つは、「マルウェアに感染するシミュレーションゲーム」や「セキュリティラジオ」、「セキュリティの博物館」といったアイデアだった。
R-1グランプリ初出場で1回戦突破、活動が広がる
SecHack365のプログラム終了後、セキュリティ芸人としての活動は一旦区切りを迎えた。しかし、ゲーム会社に就職し社会人となったアスースンさんの中で、新たな情熱が芽生えた。
それは、中学時代から続く「何か作って人を楽しませたい」という想いであり、もっと大きな野望へとつながっていた。アスースンさんは既存の枠組みにとらわれない、新たなムーブメントを生み出すことに強い憧れを抱いていたという。



















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