「寿司をなでなで…」回転寿司店でまた迷惑動画、次はZ世代に大人気のSNS「BeReal(ビーリアル)」が新たな火種に?親や学校が知っておきたいこと
1つは、「親しい人としかつながっていない」ためでしょう。BeRealは始まってまもないSNSであるため、最近仲良くしている人とだけつながっています。
Instagramもメインアカウントのほかにサブアカウントを作成し、親しい人とやり取りしていますが、それでも一定の人数とつながっています。BeRealはさらに少ない、「今」親しい友人とだけつながっているため、「内輪ノリ」が強まります。
次に、「開封率が高い」という特徴もあります。通知が来た瞬間に一斉にアプリを開くため、自分の投稿を見てもらいやすいのです。Instagramのストーリーズは閲覧履歴がつくため、積極的に見ることをためらう人もいますが、BeRealはそんな気遣いも必要ありません。自分の投稿を親しい友達全員に見てほしい場合、BeRealは最適なのです。
3つめは、「大人がいない」という点です。1つめと似ているのですが、大人がいないSNSはのびのびと楽しめます。BeRealはつながり合っていなければ見ることができないため、大人が入ってきても自分の投稿を見られることはないのですが、それでも大人がほとんどいない空間は学校のような感覚になるのでしょう。
4つめは、「約24時間で消える」ことです。通知のタイミングにもよりますが、おおよそ24時間でほかのユーザーからは見えなくなります。これも気が緩みやすい原因となります。Instagramのストーリーズに迷惑動画がよく上げられるのも同じ理由です。
最後は、「瞬間的な熱狂」です。熱狂がポジティブに働くのであればいいのですが、悪ノリに転じることもあります。バイトの休憩中や友人とおしゃべりして気持ちが高まっているときにBeRealの通知が来ると、うっかり羽目を外してしまいます。
内輪だけにノリで公開したはずの迷惑動画は、BeRealからほかのSNSに転載され、他人の手によって拡散されます。最近は炎上の仕組みが変わりつつあり、Xでフォロワーが多いインフルエンサーに直接連絡を取られてしまい、拡散されるケースも増えています。
やがて人物や場所の特定が始まります。Z世代は複数のSNSにアカウントを持っているため、断片的な情報を組み合わせて特定する「モザイクアプローチ」の手法により詳細が明らかになりやすい側面もあります。
BeRealで保護者や学校が注意すべき点
ここまで、BeRealの特性により迷惑動画が投稿されるケースがあるとお話ししました。保護者や学校は、どのように指導すればいいのでしょうか。
BeRealそのものに問題があるわけではないため、BeRealを即禁止する必要はないと思います。子どもたちは毎日のように撮影しているため、過去の投稿が残る「メモリー」が日記帳のような役割も果たしています。無理にやめさせると隠れて利用する可能性もあります。
子どもたちがBeRealを続けたいという場合は、以下の点に注意して投稿することを約束しましょう。
学校内やアルバイト先でBeRealを禁止している場所もあります。また、近所の公園や自宅前など、生活圏が特定できるような場所での撮影もおすすめしません。
授業中の撮影に抵抗感を示す子どももたくさんいるため、もめ事に発展する可能性もあります。映画館での上映中などももちろん控えるべきです。
BeRealは投稿前に加工ができないため、モザイクなどで隠すことができません。背景に個人情報が映り込んでいないかなど、確認してから投稿しましょう。
BeRealには位置情報を入れることができます。今回の迷惑動画流出では、BeRealの位置情報により居場所が特定されたとも言われています。とくに必要がない場合は位置情報をオフにして投稿しましょう。
迷惑動画は、迷惑行為をしないことは当然ですが、それを撮影した人、投稿した人、拡散させた人すべてが罪に問われる可能性があります。また、迷惑動画に加担していなくても、誤った情報により自分の投稿が炎上してしまうことがあるかもしれません。万が一の場合に備え、「身バレ」しないような投稿にしておくことをおすすめします。
また、保護者の投稿もモザイクアプローチの一助になるリスクがあるので、わが子に関するSNS投稿はできるだけ控えておくと安全です。学校側からも注意喚起することで、親子でSNSとの向き合い方を話し合うきっかけ作りができるかもしれません。
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