高市早苗氏、会見時の「眉の動き」が語る3つの最重要政策とは?

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⑤では、「コストプッシュ型のインフレで放置して、これでもうデフレじゃなくなったと安心するのは早い。むしろ賃金の上昇。これが主導して需要が増えて、そして緩やかに物の値段も上がっていく。企業も儲かる。こういう形のデマンドプルのインフレ。こういった形を私はベストなものだと思っております」と発言しました。

発言と同時に手ぶりも伴っており、賃上げ主導のデマンドプル型インフレを実現させたいという意思の強さがうかがえます。

④では、靖国神社の意義に触れつつ、「どのように慰霊をするのか、またどのように平和をお祈りするのか。こういったことについては、適時、適切に判断をさせていただきます。絶対にこれは外交問題にされるべきではない」と述べました。

日米関税交渉の協議の運営については、「もしも、運用上、日本の何か国益に合わないとか、そういうことが起きた場合には、日米の協議の枠組みの中でしっかりと申し上げるべきことだと考えております」と発言しています。日本の立場を明確にし、国益を守っていこうとする意思の強さが推測されます。

説明責任を前提とした適材適所

③では、裏金問題に関し、「不記載があった議員を何かに登用したら、これで国民の皆さまの信頼を自民党が失ってしまうのか」「これまでしっかりと説明責任を果たされた。ちゃんと審判を受けて、選挙区の方から送り出されて来た方、こういった方については、適材適所で仕事をしていただく。そしてまた『どうしてその人を選んだの?』ともし聞かれたら、私が説明をいたします。『この方はこの分野に強いから働いていただきます』と私が説明をいたします」と表明しています。

「間違いを犯した人にもチャンスを与え、人材を生かす」という人事観がうかがえます。

デマンドプル型への経済転換、国益を守る揺るがぬ外交、説明責任を前提とした適材適所――この3点に最も強い伝達意図が重なり、高市氏の政権像は「賃上げ主導の経済×主権的外交×説明責任にもとづく人材活用」と要約できると考えます。

なお、ここで強調されている論点はあくまで表情と動作から推測です。いずれにせよ、言行一致した政策を継続できるか、リーダシップの発揮に期待したいと思います。

清水 建二 株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役

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しみず けんじ / Kenji Shimizu

1982年、東京生まれ。防衛省研修講師。特定非営利活動法人日本交渉協会特別顧問。日本顔学会会員。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でメディア論やコミュニケーション論を学ぶ。学際情報学修士。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。著書に『ビジネスに効く 表情のつくり方』イースト・プレス、『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』フォレスト出版、『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』飛鳥新社がある。

公式サイト:https://microexpressions.jp/
 

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