ネットでよくある質問「人間ですか?」に潜む罠、不正な操作へと誘導しマルウェアに感染させる「ClickFix(クリックフィックス)」攻撃の被害急増

これらをクリックすると、不正な命令がクリップボード(コピー&ペースト用の一時保存領域)に自動的にコピーされる。画面変化は一切なく、ユーザーが気付くことはできない。
続いて「操作を完了するには次の順でキーを押してください ①Windowsキー+R、②Ctrl+V、③Enter」といったキー操作の指示が表示される。指示のパターンは、これに限らずほかにも複数ある。

これらの手順に従うと不正な命令が実行され、即座にマルウェアに感染する。感染するのは証券口座乗っ取りでも注目された「インフォスティーラー」と呼ばれる情報窃取型マルウェアが多く、ランサムウェアに感染するケースもある。
インフォスティーラーに感染すればパソコンで扱うあらゆるパスワードと情報が流出し、ランサムウェアではファイルが暗号化され業務継続が困難になる。ユーザー自身の手で行った操作であるため、セキュリティソフトが検知しにくいという特徴もある。
本人がだまされたことに気づいていないケースが多い
実例の1つとして、2024年後半には宿泊予約サイトBooking.comを装った攻撃が報告された。攻撃者は宿泊施設運営側へ「否定的なレビューへの対処」や「客からの連絡」などの偽メールを送信し、本文や添付ファイル内のリンクからClickFixへ誘導した。
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