電子部品大手決算は車載やスマホ向け減速、円高も逆風に。一方で光明が差したのはデータセンターの活況、AIサーバー向けが次の成長ドライバーへ

電子部品業界が今、熱い視線を送っているのがデータセンター向けだ。これまで牽引役だった電気自動車(EV)や高級スマートフォンなどのセット(最終)製品向けに軟調さが見られる一方、新たな成長ドライバーとして、各社が期待を寄せている。
データセンターの建屋に設置される電源周りや、内部のサーバー自体に搭載されるものなど、関連する電子部品は多種多様にある。各社の現在地を探ってみた。
HDDの再ブームで伸びる部品
サーバー内でデータの保存に用いられるハードディスクドライブ(HDD)。現在主流の記録メディアであるSSDに押され下火となっていたが、大量のデータを比較的安価に保存できるため、データセンター向けで主力メディアとして再び浮上。活況な需要につれて、関連部品の引き合いが強まっている。
TDKはHDDへのデータ書き込みを担うヘッドとサスペンションを展開し、サスペンションでは世界シェア2位を誇る。2025年度第1四半期(2025年4~6月期)は売上高こそPC向けの販売減少で横ばいだったものの、大量のデータ記録に対応した高付加価値品の割合が増加した。
関連セグメントである磁気応用製品事業は、前年度に3年ぶりに通期で営業黒字化を達成。今年度は第1四半期で前年同期比約8倍の63億円と営業黒字幅を拡大しており、TDKの山西哲司副社長CFO(最高財務責任者)は「通期でも収益に十分貢献できる」と自信を示す。
日東電工はCIS(Circit Integretad Suspension)と呼ばれる製品をTDK、ニッパツといったサスペンションメーカーに納める。1つのサスペンションの裏側に2つ搭載される部品で、ディスクが何枚も重ねられるサーバー内で特に引き合いが多い。
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