日焼け止め「塗り直し」で効果アップ、持ち運びしやすい小型や手を汚さぬミスト型など市場も拡大

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

紫外線の皮膚への悪影響は70年代からだんだんと意識されるようになった。ただ、90年代頃までは「日焼けは健康に悪い」という認識は高くなく、日焼け止めは夏場のレジャーシーンで用いられることが多かった。

資生堂の主力商品「アネッサ」は1992年、日用品大手「花王」の主力商品「ビオレUV」は96年に誕生した。花王スキンケア事業部の山田瞳さんは「夏場のレジャー限定の対策という認識で、日焼け止めに高い防御力が求められた」と振り返る。

大きな転機になったのが、2000年代初めの美白ブームだ。日常的に使うアイテムとして女性たちに浸透していった。さらに紫外線への懸念が強まったこともあって、使う人は子どもや男性などへも拡大していった。刺激が少ない子ども専用の日焼け止めや、家族で使える大容量パックも登場する。

調査会社「インテージ」によると、日焼け止め市場は拡大しており、24年は、17年比で約1.3倍の775億円に上る。同社アナリスト木地利光さんは「猛暑の年に注目され、売り上げが高い傾向にある」と説明する。

最近のキーワードは「塗り直し」だ。効果を高めるため、外出の途中でも塗り直せるように持ち運びしやすい小型サイズのものなどが商品化されている。

手を汚さずに塗り直しができるようにと、顔に吹き付けるミスト型や、リップクリームのようなスティック型も登場。今年2月には、メイクの上からさっと塗り直しができるブラシ一体型パウダータイプが資生堂から登場し、生産が追いつかないほどの人気を集める。

「塗り直しは『常識』になり、利便性の高い商品が毎年登場している」と木地さん。

紫外線と疲労感の関係についての研究も進む。24年に化粧品大手「コーセー」は、屋外での運動時に日焼け止めを使用することで、疲労感が軽減される可能性があるとする研究結果を発表した。研究員の後藤祐一郎さんは「日焼け止めの新たな付加価値になる」と胸を張る。

木地さんは「日焼け止めを使う男性は20代、30代が中心で、市場には伸びしろがある。今後も拡大していくのでは」と分析している。

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事