世界の陰謀論を読み解く ユダヤ・フリーメーソン・イルミナティ 辻隆太朗著
いつの時代、どんな地域でも、陰謀論は絶えず語られ続けてきた。秘密結社「フリーメーソン」、ユダヤ陰謀論の源流「シオン賢者の議定書」、日本の世界征服論「田中上奏文」など、歴史上に現れた陰謀論の数々を俎上に載せながら、なぜ人々が陰謀論にとらわれるのか、なぜ絶えることがないのか、その背景を宗教学者が検証していく。
陰謀論を唱える者は、それを否定する証拠は捏造でしかないと論じるため、陰謀論への反駁はすべてが不当なものとされる。こうしたある種の無謬性が、陰謀論を論破することを不可能にしているという。否定することが陰謀論をさらに強固にしていくというジレンマなどは、偏執的な人間の怖さをも感じさせる。
講談社現代新書 819円
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