官報複合体 牧野洋著

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官報複合体 牧野洋著

「人事と合併を抜け」。経済紙の新人記者が先輩から教えられる鉄則の一つだ。ところが、これはピュリッツァー賞の受賞理由には該当しない。ダイムラークライスラーの誕生(2007年合併解消)という「世紀の合併スクープ」も無視された。それは日本でもてはやされる「発表報道の先取り」にすぎないからだ。

米国では、埋もれたニュースを掘り起し、世の中を大きく変えるほどのインパクトを与える報道が評価される。「ガラパゴス化の道をたどり続ける日本の大メディア」の場合は、「権力側の情報をそのまま垂れ流す」発表報道がメインなだけ、その先取りに価値が置かれるというのだ。

今や世界で活字メディアの苦戦が顕著だが、「メディア間で競争さえあれば、質の高い調査報道は今後も生まれる」としても、記者クラブ制をはじめ競争の前提に欠ける日本では、権力と一体化する新聞の苦悩はそう簡単に解消しそうもないと本書は教える。

講談社 1680円

  

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