富山の鉄道で「藤子」ワールドを体感! まんが道、鉄の道<後編>

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この日は小雨で残念だったが、見事な景色の雨晴の海岸線を通り過ぎて終点・氷見駅に到着。新しく怪物くんのラッピングバスやハットリくんの絵のついたタクシーが走っており、商店街の銅像も増えている。街ごとすっかりⒶ先生ワールドになっていた。

まずは12月末~3月中旬まで凍結で休止のため前回見ることのできなかった湊川カラクリ時計へ。時間が来るとキャラクターの人形が出てきて踊るだけかと思っていたら、ハットリくんたちが現れ、ケムマキたちと忍法対決というストーリーになっている。しかもちゃんと声優さんたちの声なのだ。なかなか見応えがあった。

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豪華キャラクターの共演 ©藤子スタジオ

そのちょっと先に光禅寺というⒶ先生の生まれたお寺がある。境内には、忍者ハットリくん、怪物くん、プロゴルファー猿、喪黒福造の石像があり、見学することができる。

まんがロードと呼ばれる商店街にはⒶ先生のキャラクターやオリジナルデザインのサカナ紳士録などのモニュメントが道に沿って並んでいる。その途中に氷見市潮風ギャラリーがあり、Ⓐ先生の原画や複製原画などが展示されている。こちらはぜひ訪れてほしい。2階は「藤子不二雄Ⓐデジタルまんがスクリーン」というシステムで遊べるコーナーがあり、かなり楽しめた。

氷見線は10月10日から観光列車「ベル・モンターニュ・エ・メール」(愛称べるもんた)の運行を始めた。今回まわりきれなかった場所もあるので、また近々乗りに来るつもりだ。

旅の終わりは東京でのラーメン

東京に帰ってきて、ふとトキワ荘の近くの松葉のラーメンが食べたくなった。

『まんが道』に頻繁に出てくるラーメン屋さんである。ラーメン大好き小池さんが食べていたラーメンもここのラーメンだ。

こちらにはⒶ先生や小池さんのモデルになった杉並アニメニュージアム館長・鈴木伸一さんのサインが飾られている。不肖私のサインも飾ってもらっている。大変恐れ多いことである。

富山~高岡~氷見のまんが道旅を思い出しながら、こちらのラーメンとチューダーをいただき、「ンマーイ!」と心の中でつぶやいた。

子供の頃あこがれていた方たちと同じ世界に住んでいる。なんと幸せなことか。私は私のまんが道を邁進していこう、とあらためて思った。

YASCORN(やすこーん) 漫画家

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2008年から乗り鉄、撮り鉄、メシ鉄。東京都在住。小学館の児童誌でデビュー以来、子どもから大人までファン層は広い。キャラクターデザイン、シナリオ制作、ワークショップ、音楽など多彩に活動。単行本は『おんな鉄道ひとり旅』1巻(小学館・「プチコミック」増刊号で連載中)、初の鉄道ミステリー小説『のぞみ、出発進行!!』(小学館ジュニア文庫)、『メシ鉄!!!』1~3巻(集英社・電子書籍のみ)、『GOGO♪たまごっち!』シリーズなど。「0泊3食おひとりさま電車旅」(横浜ウォーカーWEB・コミックエッセイ)、「鉄道食べすぎひとり旅」(ハルメクWEB)ほか連載中。(写真:坪内政美) 最新情報はTwitterで→@yascorn

 

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