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「企業・団体献金を禁止すると政治は劣化する」「破滅的なことにつなげては絶対にいけない」…小泉進次郎が強く訴える政治改革の針路

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多数派ではないから安易に譲って合意する、ということは絶対にやってはならない。誤った前提から誤った結論を導いてしまってはいけない。基本的な事実認識をすり合わせるという努力を最後までしたうえで次に行かなければいけない。それぐらいの思いでいます。

ーー24日の公明党・国民民主党案では自民党の公開強化法案の「1000万以上」を「5万円以上」に修正するとなっている。小泉さんは「禁止ではなく公開」という立場ですから、この案はのめるのでは?

現時点ではこれだったらのめるとかのめないという判断は、まだするべきタイミングではないと思う。最終的にはパッケージ全体として考える必要がある。ただ、公明、国民の皆さんがたたき台を示したことについては、前向きな動きが出てきたとして評価されるべきではないかとは思います。

なぜ政治の劣化につながるのか

ーーそもそも、「企業・団体献金の廃止は政治の劣化につながる」という主張が気になります。なぜ劣化につながるのでしょうか。

国民の皆さんに伝えたいのは、企業・団体献金を仮に禁止をしたとして、その先に何が待ってるのかっていうことです。

今はあたかも自民党が孤立して一人で踏ん張っているように見えますよね。企業・団体献金を守ろうとしているということは、お前たちはどれだけ企業・団体からの献金に支えられているんだと。そう思われるかもしれません。しかし、事実としては党本部の収入の10%(23億円)にすぎません。70%が国民の皆さんの税金である政党交付金です。われわれ自民党は税金丸抱えの政党にはなりたくない。個人献金もあれば、企業・団体献金もあれば、税金もある。多様な支え手によって支えていただく。これこそが国民政党である自民党だと思うんですね。

そんな思いに加えて、今の野党の主張は、過去に自民党には政治とカネにまつわるスキャンダルがあったから全部やめろ、という非常に雑で乱暴なロジックなんです。もしもこの理屈で企業・団体献金を禁止したとすると、その次に待っているのは個人献金で何かスキャンダルが起きたら、今度は個人献金を全部やめろという話になってしまう。

それでも成り立つ政党は、日本共産党だけです。なぜかというと、共産党は交付金をもらってない。企業・団体献金ももらってない。機関紙の赤旗で収入を支えている。そういう成り立ちができる党は共産党以外にはありません。公明党も機関紙収入が3割から4割ありますので、機関紙による収入が大きいのは共産党と公明党以外にはありません。

このお話をして何を伝えたいかというと、東洋経済さんは経済誌の出版社ですが、ほかの経済誌を持っている会社と比べても、その収支のあり方というのはさまざまだと思うんですよね。

政党もさまざまな収入源によって成り立ってるんです。歴史、今までの経緯、流れ、政党の成り立ちによっても変わってくるんです。

それを踏まえずに、ある政党の1つの収入源をつぶしていくとなると、今度出てくるのは、だったらそっちの収入源を次は奪ってやるっていう泥仕合になるわけですよ。

これを誰が求めますか?というのが私の問いです。こんな泥仕合になれば政治の劣化でしょう。多様な選択肢を残したうえで、しっかりと情報公開をしていく。国民の皆さんの監視のもとに置く。一足とびに「禁止」するのはまちがっています。

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