中国EVがハンガリーに相次ぎ進出…オルバン首相との蜜月を背景にEU域内に輸出できる「関税の抜け穴」に

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ハンガリーでは、BYD製EVの販売が大幅に伸びている(1月、ハンガリー・ブダペストの販売店で)

EU(欧州連合)加盟国の中欧・ハンガリーに、中国の電気自動車(EV)関連企業が相次いで進出している。ビクトル・オルバン首相は「欧州の異端児」と呼ばれ、中国やロシアと親密なことが背景にある。EUは安価な中国製EVの流入を防ぐために追加関税を導入したが、中国勢はハンガリーを玄関口としてEU域内に輸出できる体制を築きつつある。(ハンガリー南部セゲド 秋山洋成、写真も)

1月、大学の街・セゲド郊外では、中国のEV大手BYDが欧州初の工場建設を進めていた。

現場には中国語のはり紙や「BYD」のロゴが貼られ、重機が忙しそうに動いていた。工場は2025年後半にも稼働する見通しで、数千人の雇用につながるとされる。近くのショッピングモールで働く男性(20)は「最先端のEVが生産されれば街も活気づく」と期待していた。

中国車載電池大手、寧徳時代新能源科技(CATL)も今年の稼働を目指して東部デブレツェンで新工場を建設するなど、ハンガリーには中国勢の進出が相次ぐ。日本貿易振興機構(ジェトロ)ブダペスト事務所によると、20年以降の中国企業の投資はEV関連を中心に計38件、160億ユーロ(2兆5800億円)以上に上る。

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