助産師YouTuber・シオリーヌ、人権教育につながる「性教育」学校で伝える際のヒント 自分の体について決める権利は自分にある

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

決めるのは「子どもたち自身」

自分の身を守るため、自分の体のことを主体性を持って決めていくために、必要な知識を得る権利が子どもたちにはあるはずです。その権利を無視して子どもたちの選択肢を大人が制限しようとしたり、代わりに決めようとしたりするのは、望ましいことではありません。

必要な情報をきちんと渡して、子ども自身に決めてもらう。もし迷うことがあれば、本人が決められるまで大人が一緒に悩み、寄り添う。子どもたちが選んだ道の先で何か問題が起きたり、大人の助けが必要になったときには全力でサポートする。そのために、安心して頼ってもらえるような関係性をつくり続けることが、重要なのではないかと感じます。

シオリーヌ(大貫 詩織/おおぬき・しおり)
助産師/性教育YouTuber/NPO法人コハグ代表理事
総合病院産婦人科で助産師としての経験を積んだのち、精神科児童思春期病棟で若者の心理的ケアを学ぶ。2017年より性教育に関する発信活動をスタートし、2019年2月より自身のYouTubeチャンネルで動画を投稿。著書に『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』(イースト・プレス)、『こどもジェンダー』(ワニブックス)、『やらねばならぬと思いつつ〈超初級〉性教育サポートBOOK』(Hagazussa Books)などがある
(写真:東洋館出版社提供)

もちろん性に関する情報で、成人向けと指定されているコンテンツなど、理由があって視聴を制限する必要があるものも存在します。しかし、そうでない一般的な性の知識に関しても、この子にはこの情報は問題なさそうだから渡そう、この情報はまだ早い気がするから渡さないでおこう──と大人の目線で判断して制限をするような状況があるように思います。

でも、しつこいようですが、子どもたちには学ぶ権利があり、自分のことを自分で決める権利があります。大人たちはあくまで、子どもたちに伴走するサポーターであるという認識を持つことが大切だと感じます。

私たちは、子どもたちに傷ついてほしくないと思うからこそリスクのありそうな行動を制限したい、なるべく失敗しなさそうな選択に導きたいと考えてしまうものです。もし学校の先生だったら、何か性的な問題・トラブルが起きたときに責任を問われる可能性もあるのかもしれません。さまざまな事情や思いがあることは理解した上で、

それでも基本的にはこの子の人生はこの子のもの、最後に決めるのはこの子自身なんだという境界線をきちんと持つことが大切だと考えています。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事