マルクスはルターの宗教改革についてこう述べる。
ルターはたしかに帰依からの屈従を克服したが、それは確信からの屈従をかわりにもってきたからであった。かれは権威への信仰を打破したが、それは信仰の権威を挽回したからであった。かれは僧侶を俗人らしくしたが、それは俗人を僧侶らしくしたからであった。
かれは外形的な宗教心から人間を解放したが、それは宗教心を人間に内在的にしたからであった。かれはからだを鎖から解放したが、それは心を鎖につないだからであった。/けれども、プロテスタンティズムは課題の真の解決ではなかったにしても、課題の真の提出であった。(マルクス〈日高晋訳〉「ヘーゲル法哲学批判」『マルクス・エンゲルス選集 第1巻 ヘーゲル批判』新潮社、1957年、41ページ)
キリスト教から神秘的要素を除去しようとするプロテスタンティズムによって、近代社会が抱える問題が提示されたと考える。そして
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