ビジネスで着ける腕時計「ケース素材で選べ」の訳 高級感、機能性、表現力…時計の個性が表れる
スポーツウォッチには高性能なステンレススチールを用いるのがセオリーだが、ダイバーズウォッチなど大型ケースの場合、あまりにも時計が重くなりすぎるという問題がある。そこで採用されるようになったのが「チタン」だ。
ステンレススチールよりも圧倒的に軽く、高耐食性をもち、金属アレルギーを起こしにくいという理想的な素材であるため、スポーツウォッチだけでなく、ドレスウォッチやラグジュアリーウォッチにも用いられるようになりつつある。
ちなみにチタン素材は非常に加工が難しいとされており、ポリッシュ仕上げや複雑なデザインは苦手である。だからこそ、チタン素材でありながら美しいポリッシュ仕上げを施し、ケースやブレスレットの造詣が凝っているモデルは、かなり手間をかけて作っているということになる。

ブルガリ「オクト フィニッシモ」自動巻き、Tiケース、ケース径40㎜。¥2,486,000。写真右上:チタン素材特有のグレーメタリックの色彩を生かし、洗練されたデザインに仕上げた。加工の難しい素材を、ここまでシャープな多面構造に仕上げるブルガリの技術力も驚異的である。写真右下:搭載ムーブメントCal.BVL138の厚みは、わずか2.23㎜。そのため時計のケース厚は5.15㎜しかない(写真:ブルガリ)
セラミック、カーボン…素材開発は進化を遂げている
ラグジュアリーな「ゴールド」、表現力と機能性の「ステンレススチール」、そして機能系の「チタン」が、時計界における三大ケース素材だが、素材開発はさらに進化を遂げている。
耐傷性に優れる「セラミック」は機能系素材だが、ポリッシュ仕上げによって深い光沢が生まれるため、ラグジュアリーウォッチに用いられることも増えている。

ゼニス「パイロット オートマティック ポーター エディション」自動巻き、Tiケース、ケース径40㎜。¥1,496,000。写真右:コーデュラ・エフェクト カーキラバーストラップに加えて、ポーターのナイロンファブリックとネームタグを使用したカーキストラップが付属。さらに時計ボックスとして、ゼニスのためにデザインされたウォッチバッグが付属する(写真:ゼニス)
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