ビジネスで着ける腕時計「ケース素材で選べ」の訳 高級感、機能性、表現力…時計の個性が表れる

日本を代表するバッグブランド「ポーター」とのコラボレーションモデルで、傑作「タンカー」の生地をイメージしたグリーンを、セラミックで表現している。セラミックケースは成型する際に焼結するが、その際に色が抜けやすい。そこまで加味して色を付けるため、高度な技術が求められる(写真:ゼニス)
航空宇宙産業やモータースポーツなどに用いられるハイテク素材「カーボン」は、軽くて頑強なのでスポーツウォッチと相性のよい素材。その荒々しい質感も含めて好まれている。

リシャール・ミル「RM 65-01 オートマティック スプリットセコンド クロノグラフ マクラーレン W1」自動巻き、カーボンTPT®×グレード5チタンケース、ケース縦49.94×横43.84㎜。世界限定500本。価格要問い合わせ。写真右上:スーパーカー「マクラーレン W1」とのコラボレーションモデルで、流線形のカーデザインをイメージしたベゼルのフォルムが特徴。ふたつの対象を同時に計測できるスプリットセコンド式クロノグラフを搭載する。写真右下:ケースやベゼルに使用するのは、「カーボンTPT®」という軽くて頑強な素材。これはカーボンファイバーを45度の角度をつけて織り込んだ素材を積層し、樹脂を浸透させ、熱と圧力を加えて形成する素材。これをケースの形に切削すると特徴的な縞模様が現れる(写真:リシャール・ミル)
伝統の継承とダイナミックな進化を楽しんで
ダイヤモンドに次ぐ硬さと美しい透明度を誇る人工素材では、機構を隅々まで見ることができ、不思議な浮遊感を演出できる。
こういった特別な素材は、製造にも加工にも手間がかかるためコストは高くなる。しかし素材特有の表現力を楽しめるので、その価値はあるだろう。
歴史ある高級時計の世界において、ケース素材は伝統を継承する分野であると同時に、ダイナミックに進化している分野でもある。高級感を楽しむか、機能性を楽しむか、はたまた大胆な表現力を楽しむか。時計選びとケース選びは、切っても切れない縁なのだ。
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