悪質なデータ復旧事業者「レスキュー商法」の手口 多発する「納得できない作業結果と費用請求」
機器の故障やヒューマンエラー、ランサムウェア攻撃など、データが失われるきっかけはさまざまだが、原因が何であろうと大切なデータが消えてしまったら、誰もが慌てふためいてしまうことだろう。企業にとっては事業継続に関わる事態と言える。
そんな切迫した心理につけ込む悪質な「レスキュー商法」が、データ復旧サービス分野において問題となっている。相談窓口を開設するなど、この問題に取り組む日本データ復旧協会(以下、DRAJ)会長の浦口康也氏に、レスキュー商法業者の手口や被害に遭わないための注意点について聞いた。
切迫した心理状態を逆手に取る悪質業者
――DRAJでは、データ復旧サービスのレスキュー商法に対する注意喚起を行っています。一部の悪質な事業者と顧客との間でどんなトラブルが起きているのでしょうか。
一般的にレスキュー商法とは、水回りのトラブルや鍵の紛失など生活上の緊急事態につけ込み、不当に高額な料金を請求するビジネスを言いますが、データ復旧サービス業界にも同様の事業者が存在します。
データが失われれば、企業の担当者や個人は「何とか今すぐ復旧させたい」という切迫した心理状態に置かれます。悪質な事業者は顧客のそうした心理を逆手に取って、あたかもデータが確実に復旧できるかのような誇大な表現を用いて勧誘し、契約を急かします。
顧客はデータが戻ってくることを前提に契約を結びますが、実際には復旧できないケースが少なくありません。それにもかかわらず、料金を不当に請求されるという事例が後を絶ちません。
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