オランダの首都であり、ヨーロッパ屈指の大都市アムステルダム。この街には、第2次世界大戦中の1940年から5年間、ナチス・ドイツの占領下に置かれ、迫害を受けた歴史がある。この間、人々は人権や言論の自由を奪われ、ユダヤ人を中心に多くの犠牲者が出た。それは、アンネ・フランクによる『アンネの日記』にもつづられている。彼女のように強制収容所へ移送された人は10万7千人。そのうちの10万2千人が虐殺されたとされている。
過去と現在がリンクする大作
アムステルダムを第二の故郷として暮らすスティーヴ・マックイーン監督が目指したのは、知識や情報だけではなく、“場所”に歴史を語らせ、当時の記憶を鮮烈によみがえらせる映画だ。劇中では、迫害を受けた人々の人生の記録が、オムニバスのようにナレーションによって語られていく。「公開処刑」「銃殺」「子どもは殺された」などショッキングな言葉が頻出する。
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