小澤征爾さんと、音楽について話をする 小澤征爾、村上春樹著

小澤征爾さんと、音楽について話をする 小澤征爾、村上春樹著

これほど読ませる対談本は珍しい。世界のマエストロが主役であることは当然だが、専門知識もない素人だと言いつつ並外れた博識と音楽への鋭い感性を存分に発揮して対談を成功させた人気作家もまた立派な主役である。サンフランシスコ、ボストンをはじめ数多くの楽団を磨き上げた成果と、演奏家たちの評価やエピソード、作曲家の意図と楽譜の読み込み方、演奏技法から「音」そのものまで、門外漢にとっても十分楽しめる内容となった。

多彩な音楽談義を両者が心から楽しんでいるおかげで(小澤は何度も呵呵大笑している)、読む者は音楽の世界に心地よく身を委ねうるだろう。ピアノ協奏曲、60年代、マーラー、オペラ、小澤塾などの章はいずれも興趣が尽きず、音楽の楽しみ方と奥深さが少しだけわかった気になってくる。貴重なレコードをかけながら「ここの演奏が」などと話が弾むので、こちらも聴きながら読みたくなってしまうのがつらいけれど。(純)

新潮社 1680円

  

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