「リスキリング」の本気度が企業の評価を変える 「プラチナキャリア」先進企業の働き方と共通項

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経済産業省はリスキリングを「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義する。

一般的に、リスキリングは企業が社会の変化で必要となるスキルを従業員に獲得させるために行うもので、企業の底上げを図るものと考えられている。

星氏は、「リスキリングは企業の競争力アップに欠かせない。ただ、働く人は(これまで希薄だった)学び続けるという意識を持つ必要があるのはもちろん、企業側もそうした制度設計や活躍する場を提供するなど変わらなければいけない」とお互いの進化が重要と考える。

リスキリングの進め方は各社それぞれで正解の形があるわけではない。おそらく今後多くの先進企業の事例が出てくる中からその一端が見えてくるはずだ。とくにプラチナキャリア・アワードでの表彰企業の事例は注目だ。

企業評価にも活用

こうした企業の「プラチナキャリア」への取り組みは、企業の非財務情報の評価、さらには企業価値・株価の評価につながっている。

三菱UFJ信託銀行はドイツ取引所傘下のSTOXX(ストックス)社と共同で「iSTOXX MUTB Japan プラチナキャリア150 インデックス」を開発している。銘柄選定には、「東洋経済CSRデータ」をベースにした、プラチナキャリアスコアが使われている。

このインデックスは「TOPIXを上回るパフォーマンスを示している。人材育成に注力する企業は将来的に成長する可能性が高い」(星氏)という。プラチナキャリアという視点で企業を見ることで、株価上昇する銘柄を選びやすくなるかもしれない。

ESG(環境・社会・企業統治)投資は成果が見えにくいという批判も多い。だが、プラチナキャリアなど人材強化(主にS:社会)に取り組む企業は、その企業価値が大きく上がる可能性が感じられる。

岸本 吉浩 東洋経済 記者

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きしもと よしひろ / Yoshihiro Kishimoto

1996年東洋経済新報社入社。以来各種企業調査にかかわる。『CSR企業総覧』編集長として、CSR調査、各種企業評価を長年担当。著書に『指標とランキングでわかる! 本当のホワイト企業の見つけ方』など。2023年4月から編集局記者、編集委員、『本当に強い大学』2023年版編集長。

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