早くも「トランプ」余波、ドイツ連立政権が崩壊 保護主義による輸出産業への影響を懸念し対立

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各種の世論調査で連立与党の支持率は、SPDが15%程度、緑の党が10%程度、FDPが4%程度と低迷が続いている。一方、最大野党のCDU/CSUが30%程度の支持を集めてリードする。

ただ、CDU/CSUの単独での過半数獲得は困難な情勢で、連立相手となりそうなのは、現与党のSPDと緑の党、新興左派政党「ザーラ・ワーゲンクネヒト同盟(BSW)」の3党だろう。

CDU/CSUと政策の親和性が高いFDPは、議席獲得に必要な5%に届かない可能性が高い。CDU/CSUは、排外主義的案な政策が目立つ極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」との連立を否定している。

親ロシア政党が政権入りすればウクライナ支援に影響

支持率が低迷するSPDや緑の党が党勢回復を優先して政権参加を見送る場合、旧東ドイツの支配政党の流れを汲む新興左派政党BSWが連立相手となる。

9月に旧東ドイツの3州で行われた州議会選挙では、AfDとBSWの非主流派2党が躍進した。主要政党は州政府の発足に向けた連立協議で、AfDとの連立を拒否する一方で、一部の州でBSWとの連立協議を開始している。

親ロシアのBSWが連邦政府レベルでも連立に加わる場合、アメリカ大統領選でのトランプ氏の勝利と相まって、ウクライナ支援の行方が不安視される。

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