早くも「トランプ」余波、ドイツ連立政権が崩壊 保護主義による輸出産業への影響を懸念し対立
精彩を欠くドイツ経済の立て直しを巡って、ショルツ首相が率いる中道左派の「社会民主党(SPD)」、環境政党「緑の党(Grüne)」、リベラル政党「自由民主党(FDP)」の連立政権は意見が対立してきた。
FDPのリントナー党首は、気候変動対策の軌道修正や規制緩和などによる経済活性化を主張してきた。緑の党のハーベック経済・気候保護相兼副首相は、財政規律を重視するFDPに歩み寄り、ドイツ進出を見送ったアメリカIT企業に対する補助金予算を財政の穴埋めに活用することを提案していた。
政権崩壊により、来年度の予算案が議会を通る見込みは立たず、ひとまず今年度予算に準ずる暫定予算を組み、次期政権の発足後に改めて予算審議を行う可能性が高い。
年明けに不信任となれば、3月にも総選挙
各種の世論調査でリードする最大野党で中道右派の「キリスト教民主同盟(CDU)」とバイエルン州の姉妹政党「キリスト教社会同盟(CSU)」は、早期の解散・総選挙に意欲をみせているとされる。ショルツ首相は近く今後の議会運営を巡って野党党首との協議を予定しており、CDU/CSUの出方を確認する機会となろう。
内閣不信任が可決された場合、ショルツ首相は議会の解散権を持つシュタインマイヤー大統領に解散を要求するとみられる。大統領は21日以内に議会の解散是非を決断し、解散から60日以内に総選挙が行われる。
連邦議会選挙は来年秋の予定だったが前倒しされ、連立与党が世論調査でリードするハンブルク州議会選挙が行われる3月2日か、その直後にとの観測が高まっている。
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