学生の学習促進から研究にも使える!大学教員が知っておくべき生成AI活用 教育や研究の質向上に役立てることが重要に

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

生成AIを利用するうえでの注意点

生成AIは非常に便利なツールですが、その利用にはいくつか注意点があります。これまでの活用例の中でも注意点に触れましたが、改めて生成AIを利用する際の注意点を以下に挙げます。

まずは、出力の信頼性が高くありません。生成AIは、あたかも真実のように見える文章や情報を生成することがありますが、実際には事実と異なる情報を生成することがあります。 生成AIが出力した情報は鵜呑みにせず、必ず信頼できる情報源と照らし合わせて確認することが重要です。

基本的に個人情報・機密情報は入力しないほうがいいでしょう。外部サービスの生成AIに個人情報や機密情報を入力することは、情報漏洩のリスクを高めます。 学内に環境が整っていない限りは、個人情報や機密情報は入力せず、一般的な情報のみを入力することをおすすめします。

著作権侵害に配慮する必要もあります。生成AIが生成した文章や画像が、既存の著作権を侵害している可能性もあります。 生成AIの出力結果をそのまま利用するのではなく、類似する文章や画像がないかを確認する、あくまでも出力は参考程度に利用して自分オリジナルの文章や画像を作成するなど、著作権侵害に十分配慮する必要があります。

ほかにもバイアス、言語格差、データの学習、透明性など多様な課題が山積していますが、大学教員は、生成AIの特性を理解したうえで、教育や研究活動に活用することで、活動の効率化、質の向上が見込めるでしょう。ただし、生成AIはあくまでもツールであり、その出力結果を批判的に吟味し、適切に利用することが重要です。

(注記のない写真:Supatman / PIXTA)

執筆:東京大学 大学院工学系研究科 附属国際工学教育推進機構 准教授 吉田塁
東洋経済education × ICT編集部

東洋経済education × ICT

小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事