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「ブラック口座」情報共有で銀行の形勢逆転なるか 400万円の買値もある口座売買が「犯罪の温床」

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信じがたいスピードで増殖する金融犯罪。事態のさらなる深刻化を防ぐため、銀行業界が新たな取り組みの検討に乗り出す。

口座買い取り
X(旧ツイッター)に投稿されている口座買い取りの書き込み。口座売買は犯罪だが「安心安全」だと偽り転売へと誘導する手口が横行している(記者撮影)

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足元で爆発的に増えている金融犯罪被害。特殊詐欺やSNS型投資詐欺などの詐欺被害額は2023年に前年比で倍増し、1630億円に膨れ上がった。

金融犯罪集団は、SNSなどを通じて不正に入手した銀行口座を使い、詐欺で得た資金を受け取る。その後、いくつもの口座を経由し、ときには不動産や絵画などに形を変えて資金洗浄(マネーロンダリング)していく。

今年5月には、金融業界を震撼させる事件も明らかになった。約700億円もの犯罪収益を資金洗浄していた「リバトングループ」の存在だ。

そこで使われていたのは約4000にも上る法人口座。しかもSNSを通じて雇われた闇バイトが、実在する法人を名乗り、主にインターネットの非対面チャネルで多数の法人口座を開設していた事実も浮き彫りになった。

犯罪集団は「手の内を知り尽くしている」

リバトングループが口座開設に使っていた法人は、事業実態のないペーパーカンパニー。その数は約500社に上り、いずれも口座開設だけを目的につくられた。

金融機関は非対面であっても、マネロンリスクが高いと判断した場合には口座開設を謝絶し、事業内容などに不明な点があればヒアリングや面談を実施して確認する。

だがリバトングループは、怪しまれることなく法人口座を開設できた。金融機関が不審に思う着眼点や質問された際の各種回答などを体系的にまとめた「マニュアル」を共有していたからだ。

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