時代劇の作り方 能村庸一・春日太一著

拡大
縮小
時代劇の作り方 能村庸一・春日太一著

「水戸黄門」が終わるとテレビから時代劇の枠が完全に消える。フジテレビ入社から半世紀、能村庸一氏ほど時代劇制作の最前線に立ち続け、その消長とともに生きてきた人はいない。しかも「鬼平犯科帳」「藤枝梅安」「剣客商売」「御家人斬九郎」など時代劇の歴史に燦然と輝くシリーズを作り続けた。時代劇との向き合い方、制作余話、俳優や監督などの思い出や京都の撮影所への賛辞(オマージュ)。現場のさまざまな苦労と喜びが飾りけなく語られる。

臨場感あふれる現場論にとどまらず、視聴率を取らねばならぬ編成との丁々発止も面白い。深みのある番組作りはこのようにして初めて可能になったのだと知れば、時代劇チャンネルやビデオを見る楽しみがいや増してくる。時代劇は貴重な日本文化である。制作現場の火を絶やしてはならないという熱い思いが伝わってくるのみならず、苦境にあって腹をくくり、成果主義とは一線を画す仕事ぶりに多くを教えられる。(純)

辰巳出版 1365円

  

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
パチンコ、「倒産」と「リストラ」ドミノの深刻背景
パチンコ、「倒産」と「リストラ」ドミノの深刻背景
空前の中学受験ブーム、塾業界の子ども争奪戦
空前の中学受験ブーム、塾業界の子ども争奪戦
そごう・西武、後釜に「ヨドバシ」が突如登場の衝撃
そごう・西武、後釜に「ヨドバシ」が突如登場の衝撃
AGCが総合職の月給3万円アップに踏み切る舞台裏
AGCが総合職の月給3万円アップに踏み切る舞台裏
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT