スズキがフォルクスワーゲンと“破談”、中身がなかった強者連合
優勢インドで競争激化
スズキはVWの保有株(時価で約1700億円)を、すべて自己資金で買い戻す方針だ。実際に6300億円近い現金同等物を有しており、13年3月に控える約1500億円の転換社債の償還を含めても、対応は可能である。
問題はスズキが単独で生き残りの絵を描き切れるかどうか。すでにスズキはプラグインHVを手掛けており、他の環境車も「今年に入り自社開発が加速している」(鈴木会長)。とはいえ、インドで拡大が続くディーゼルエンジンを他社の技術に頼らざるをえないことだけをとっても、決して盤石とはいえない。さらにそのインドでは、世界の有力メーカーが「量」を背景に、一層攻勢を強めている。
経営の足かせとまで言う提携を早期に解消したことは、スズキにとって一応プラスだろう。が、環境対応や新興国での競争激化に、今後も単独路線を貫ける保証はどこにもない。資本関係の有無は別に、スズキが次の提携先を探す可能性は十分にある。
[+画面クリックで詳細チャートを表示 <会員登録(無料)が必要です>]
(並木厚憲 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2011年9月24日号)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら