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新生「ウィーカーズ」店舗で進む現場重視の改革 「上意下達文化」からの脱却、残業時間も管理

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2024年5月の「ウィーカーズ」設立時の記者会見で田中慎二郎社長は「組織風土改革が一丁目一番地」と語った。その現場を取材した。

ウィーカーズ多摩店
伊藤忠エネクスから派遣された諏訪宏平さんは今年5月からウィーカーズ多摩店で働く(記者撮影)

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「いらっしゃいませ」。ウィーカーズ多摩店(東京・多摩市)の店内に諏訪宏平さんの元気な声が響いた。

街道沿いの看板はまだ「ビッグモーター」のままだが、店舗に入ると車のフロントガラスをイメージした新会社のロゴが目立つ。諏訪さんは伊藤忠エネクスからの出向者だ。伊藤忠エネクスはビッグモーターの事業を引き継いだウィーカーズに伊藤忠商事とともに出資する。

この多摩店は、ビッグモーター時代の昨年夏、国土交通省や金融庁が相次いで立ち入り検査に入った場所だ。整備場は60日の事業停止、文書警告の行政処分を受けた。街路樹を勝手に伐採したとして、元店長が略式起訴され、整備士に違法な残業をさせていたことも発覚した。

騒動で揺れに揺れた店舗だが、今は平静を取り戻す。記者の訪れた日は平日午後にもかかわらず、数組の家族連れが商談に訪れていた。

「報道に接してどんな店なのだろうと思っていたが、実際に赴任してみると、顧客にはしっかりと丁寧に対応している印象だ。ただ、目標設定などがトップダウンでどんどん飛んできていたので、下から発信する文化がなかったと感じた」(諏訪さん)

顧客満足度と同時に従業員満足度も重要

諏訪さんは伊藤忠エネクスに2014年に入社。カーライフ事業部に配属され、国内で新車販売を経験した。ベトナムに赴任していた間は車のコーティング剤の拡販に努めた。伊藤忠エネクスの関連会社社員とともに多摩店に派遣されたのは今年5月。主に接客を通して店舗の改善点を現場の店長や工場長、ウィーカーズ本部と練り上げる。

最近提案したのが、整備工場の「昼食タイム」の設定だ。整備士は業務にあわせて休憩時間を任意でとるため、顧客対応に追われると昼休憩も取らずに働き続けるケースもある。

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