新幹線は、海外からどう見られているのか

日本初開催の「高速鉄道会議」で語られたこと

フランスでは、昨年、航空業界がLCCの大規模なキャンペーンを行い、多くの人に「LCCは高速鉄道より安い」という強い印象を与えた。今年はマクロン法による規制緩和で安価な長距離バスが増えた。とはいえ、鉄道はインフラ維持などにかかる固定費が高く、LCCや長距離バスのように価格を下げるのが難しい。そのためフランス国鉄の講演者は、解決方法が簡単に見つからないと述べていた。日本もまったく人ごとではない。

日本は他国と比べまだ楽観的な状況だが…

一方、日本の講演者は、ほかの交通機関の影響にはあまり触れず、新幹線の利用促進策を発表していた。ハード面では、車内のデザインの工夫や、足湯や現代美術展示室を設置、ソフト面では車内イベントなどが紹介された。会議初日に九州新幹線の車内でDreams Come True(ドリカム)がライブを行ったことも報告された。

日本の新幹線には、東海道新幹線よりも利用者がはるかに少ない区間が存在するが、ヨーロッパの高速鉄道と比べれば、まだ楽観的な状況だろう。また、多様な試みをすぐに実行できるのは、日本ならではの強みなのかもしれない。

ただ、ヨーロッパの高速鉄道が得意とする分野もある。信号システムなどの標準化や車内の消火システム、ドローンを使ったインフラ点検、ビッグデータの活用、ICTとの連携など、日本が学べることはまだまだ多い。

一般的な国際会議では、講演者から、時々、ジョークが飛び出し、場内が湧くことがある。それは場を和ませ、円滑な議論を助けることがある。しかし今回の国際会議では、まじめな講演者が多く、ジョークはあまり聞かれなかった。鉄道という安全を重視する業種の特殊性かもしれない。

日本の講演者は総じて控えめだった。もちろん、すばらしいプレゼンをする人もいたが、表情が豊かでジェスチャーを交えて話す欧米勢や、エネルギーに満ちあふれた話し方をするアジア勢とくらべると、単調さが目立った。

これからも世界の高速鉄道の潮流に鋭くアンテナを張り、海外に対して何で貢献でき、何を学べるかを冷静かつ論理的に判断する――。それが日本の新幹線関係者に求められているのではないだろうか。

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