『ドライブ・マイ・カー』(2021年)の濱口竜介監督の最新作。同作の音楽を担当した石橋英子がライブパフォーマンス用の映像制作を依頼したことが制作の端緒となった。
美しい自然を背景に描かれる人間模様
物語は巧(大美賀均)と娘・花(西川玲(りょう))の住む信州の山々に囲まれた町にグランピング場をつくる計画が持ち上がるところから始まる。水源汚染などに対しての配慮に欠ける計画に住民は反対。他方で補助金を頼りに建設の着工を急ぐ東京の芸能事務所の高橋(小坂竜士)と部下の黛(渋谷采郁(しぶたにあやか))も、地域の実情を知るにつれ社長やコンサルの計画に疑問を持つようになる。
自分たちにとってのかけがえのないものを大切にして生きる住民たちとそこから何かを感じて変化していく東京から来た2人。森の木々からのぞく空が時折差し挟まれるが、変わらぬ美しさを持つ自然を背景に、異なる立場の者たちの人間模様が描かれる。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら