
元警察官、ジミー・“バーベキュー”・シェリジエとギャングメンバー(写真:アフロ)
ハイチはギャングが政府そのものになりそうな情勢だ。ギャングが重要施設を占拠し、首相が辞任したハイチでは、失敗国家のあらゆる特徴があらわとなっている。法と秩序が崩壊したことを受け、カリブ海地域の政府間組織・カリブ共同体は、ハイチの政治・市民社会集団を幅広く代表する政権移行評議会の創設で合意。その結果生まれる暫定政府が選挙を行い、政治を完全にリセットすることが想定されている。
ハイチ制圧の首謀者
だが、誰がその関与者となるのだろう。3月にギャングが国内最大の刑務所を襲撃し、警察官や看守を殺傷して約4000人の囚人を脱獄させて以来、ハイチは非常事態宣言下にある。「バーベキュー」のあだ名で知られるギャングのリーダーで元警察官のジミー・シュリジエは、襲撃を自らの手柄とし、政府転覆を呼びかけた。ギャングは今や首都ポルトープランスの8割を制圧するに至っている。
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