大学で相次ぐ「サイバー被害」狙われる3つの理由 「将来の金づる」候補の学生情報が闇市場で売買
大学生は「お客様」だから対策を強制できない
——大学におけるサイバー被害や情報漏洩のニュースがしばしば報道されています。最近の動向を教えてください。
ここ数年、学生情報が漏洩したという報道が続いています。学生は大学にとって、授業料を支払ってくれる「お客様」です。企業が自社の社員にセキュリティ管理を強いるのと異なり、顧客にセキュリティ管理を徹底させるのはなかなか難しい。さらに、ほとんどの大学は教職員よりはるかに多い学生を抱えています。こうした観点から、学生のセキュリティマネジメントは困難なのです。
——特に大学が狙われる理由として、どのようなものがありますか。
大きく3つあります。1つ目は、学生の個人情報です。学生時代のアドレスは、多くの人が就職後も使い回します。学生の情報は狙いやすいだけでなく、将来よい「金づる」になり得る個人情報でもあるのです。VIPやセレブの情報と比べれば単価は安いものの、学生の個人情報は実際にブラックマーケットで売買されています。企業であれば統制を利かせて情報管理を強制できますが、学生にはなかなかできません。情報は学生からもある程度漏れるものだと覚悟し、その前提で対策を講じる必要があります。


















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