
(イラスト:北沢夕芸)
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紙について徹底的に考え抜いたことがある。
それは、雑誌全体を見直す「誌面改革プロジェクト」でのことだった。
当時所属していた雑誌は創刊から40年以上が経っていた。
その間に何度となく刷新を試みたが、どうもうまくいかない。
それは、編集長が「記者上がり」で、文字に意識が集中していることが影響している。写真やグラフは補足説明程度に考えている。
ましてや、雑誌全体のデザインなど考えていない。だから現状を大きく変化させることができない。
で、衝撃の指摘を受けたのは、2000年代のことだった。
欧米勤務から帰国した先輩記者が、編集部に異動してきた。私の席にやってきて雑誌をめくる。
「金田さ、うちの雑誌ってダサくねえか」
そう言うと、今度は持ち帰った欧米のニュース雑誌を机に置いて、ペラペラとめくる。そこには、見開き大のインパクトが強い写真が載り、グラフやイラストがまるでアート作品のように並んでいる。
言葉が出なかった。
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