ロマノフの徒花 河島みどり著

ロマノフの徒花 河島みどり著

ロシア革命で崩壊するまで3世紀に及ぶロマノフ朝の栄華と専制政治体制を確立したのはピョートル1世とエカチェリーナ2世だった。この巨星の間に咲いた徒花(あだばな)の一つが11歳で即位したピョートル2世と、その婚約者たるドルゴルーコフ公爵家の令嬢エカチェリーナである。公爵の陰謀は、寵臣メンシコフを失脚させ、その娘で2世の婚約者ナターリヤを追放すること、その後釜に自らの娘を滑り込ませようということにあった。そしてそれは見事に成功するのだが、放埓(ほうらつ)の極みを尽くした2世の急死によって事態は暗転する。

因果応報、公爵一家を待ち受けたのはシベリア流刑だった。皇妃から囚人の身となるエカチェリーナ。極寒の地での人間模様が後半のハイライトだ。前半では王朝一族や貴族たちの華やかで空虚な生活と、富と地位を目指しての虚々実々の策謀とが精妙に描かれる。貴重な一次資料を渉猟して書き上げられた上質のノンフィクションである。(純)

草思社 2310円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • 本当は怖い住宅購入
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
トレンドライブラリーAD
人気の動画
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
不祥事続く三菱電機、「言ったもん負け」の特異体質
不祥事続く三菱電機、「言ったもん負け」の特異体質
度数1%未満の「微アルコール」が広がる理由
度数1%未満の「微アルコール」が広がる理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
私大トップ校の次の戦略<br>早慶上理・MARCH・関関同立

受験生確保や偏差値で高い水準を誇る関東・関西のトップ私大13校。少子化や世界との競争といった課題に立ち向かうための「次の一手」とは。大きく揺れる受験動向や、偏差値や志願倍率と比べて就職のパフォーマンスが高い大学・学部なども検証します。

東洋経済education×ICT