JR西の新駅で利用客が激減した私鉄駅はどこ? 関西私鉄の駅とJRの駅、ユニークな関係の数々

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時代が令和になり、関西私鉄とJR西日本との関係にも変化が見られる。近年では関西私鉄とJR西日本との共同アプリに関して協力関係にある。少なくとも、昭和から平成にかけて見られた関西私鉄とJR(国鉄)とのバチバチのライバル関係とは違うように思える。

とはいえ、趣味目線から見ると、関西私鉄とJRとの熱い勝負も時には見てみたいものだ。そこで、駅にスポットを当て、関西私鉄とJRとの興味深い関係を見ていこう。

阪急はJRと競っている駅が多く、正直なところ選定に迷う。そのなかで筆者が選んだのは神戸本線の六甲駅とJR神戸線の六甲道駅だ。六甲駅から南へ約700mのところに六甲道駅があり、六甲駅―六甲道駅間には神戸市バスがひっきりなしに走る。

1日の利用者数は、六甲駅が乗降者数約2万5000人で、わずかながら特急停車駅の岡本駅よりも多い。一方、六甲道駅の乗車客数は約2万2000人(2021年度)だ。

興味深いのは利用者の年齢層だ。夕方の六甲駅には進学校で知られる六甲学院高校をはじめ、多くの私立高校の学生を見かける。一方、六甲道駅では六甲駅と比較すると学生の姿は少ないように感じる。私立高校に通わせるだけの財力がある家庭は阪急沿線を好むのか、と想像するのは筆者だけではないだろう。もちろん、700m歩くのを省くために、阪急を利用することも大いに考えられる。

京阪伏見稲荷駅とJR稲荷駅の関係

同じく若者の利用が多く見られるのは南海新今宮駅だ。新今宮駅はJR大阪環状線・阪和線・大和路線(関西本線)との接続駅である。南海本線とJR阪和線はライバル関係にあり、とくに関西空港への足としてしのぎを削る。

南海新今宮駅から空港急行に乗ると関西空港まで約40分、片道970円だ。JR新今宮駅から関西空港へは関空快速で約50分、片道1080円とコスパ的に南海に軍配が上がる。また、JR新今宮駅を通過する大阪駅・京都駅へ直通する特急「はるか」には中高年の外国人観光客を見かける。おそらく、外国人向けのJR乗り放題きっぷ「ジャパン・レール・パス」を購入しているのだろう。

もちろん、京都でも外国人観光客が目立つ駅は見られる。伏見稲荷大社の最寄り駅にあたる京阪本線・伏見稲荷駅とJR奈良線・稲荷駅はオンシーズンになると外国人観光客で賑わう。

伏見稲荷大社は稲荷駅のほうが近く、新幹線からそのまま「ジャパン・レール・パス」が使える。一方、伏見稲荷駅は京都市中心部から1本でアクセスできるという強みを持つ。しかし、両駅とも京都側の主要駅に近いこともあり、日中時間帯は各停タイプの列車しか停まらない。伏見稲荷駅では多くの観光客が利用することもあり、2017年には駅のリニューアル工事を実施した。

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