イーティング・アニマル ジョナサン・サフラン・フォア著/黒川由美訳
米国での「工場式農場」の登場は、遺伝子操作された動物--飛べない鶏、柵の外では生きていけない豚、自然な方法では繁殖しない七面鳥……を生み出した。この結果、インフレを加味すると、動物性たんぱく質の価格は歴史上今が最も安い。ただし、政府の農場への助成金や、環境に与えるマイナスの影響、人間の疾病など、畜産業界が外部に負わせているコストを考慮に入れなければ、ということだ--。
さらに、今では女の子の第二次性徴期は昔よりずっと早くなり、子どもたちはありとあらゆるものにアレルギーを示す。小児ぜんそくの数に至っては、手に負えないほど増えている。みんな、食べ物のせいだとわかっている。食肉になる動物の遺伝子をいじり回し、成長ホルモンだとか、よくわかりもしない薬を手当たり次第に与えているからだ、とも指摘する。
米国食肉産業のうんざりするような現実を、綿密な取材と証言で描く。
東洋書林 1890円
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