子ども同士の喧嘩や教員への反抗、不安定な11月に「学級崩壊」を回避する術 学級の「ボス」には1対1で個別に働きかけを
「子どもたちはカリキュラムに含まれていない事柄も、言動や環境からこっそり学び取っています。例えば、授業中に挙手する児童が少ない場合は、一度全員を起立させ、自分の意見を持てたら着席してもらうことで、全員を『考える』という活動に参加させることができます。
教員の工夫次第でヒドゥン・カリキュラムは改善できます。自分が生み出しているヒドゥン・カリキュラムを自覚するには、他クラスの教員の意見を聞くなど外部の目を入れるとよいでしょう」
学級が荒れ始めたと感じたときは、教室環境の改善から
すでに学級が荒れた状態にある場合は、どこから対処すればよいのだろうか。三好氏は「教室環境の改善から始めてみては」と提案する。
「荒れた学級では、机の横に掛けてはいけないものがあるなど、物の置き場所のルールが守られていないことが多い。授業中に5分間だけ片付けの時間をつくり、物の置き場所を正させることであれば実行しやすいと思います」
朝礼時の整列や給食準備などの集団行動が遅くなることも、荒れた学級によく見られる特徴だ。「早くしなさい」と言うだけでは改善しないため、数字で具体的な目標を示すことが有効だと三好氏。「『昨日は整列に5分かかった。今日は何分を目指す?』とタイマーで計ると、学級全体で達成感を得られます」
三好氏が高学年の担任をした際は、10月末にハロウィンパーティー、12月の終業式前にクリスマスパーティーをしたという。特別活動の時間で3週間ほどかけて準備に取り組んだことで、児童はそこにエネルギーを注ぐようになり、反抗的な態度がエスカレートすることはなかったそうだ。
教員時代に学級経営で悩んだとき、三好氏は自らが師事していた先生や外部の教員サークルで出会った教員仲間などに相談をしていたそうだ。「いざというとき相談できる人がいるだけで心強いもの。しんどくなりやすいこの時期を、教員自らの心身の健康を守りつつ乗り切るためにも、校外や教員でない人でもよいので、自分なりの相談役を見つけてほしいと思います」
(文:安永美穂、注記のない写真:つむぎ / PIXTA)
東洋経済education × ICT編集部
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