有料会員限定

新興国経済に活力もたらした早期利上げの効能 先進国にまん延する「借金はタダ」とは考えない

✎ 1〜 ✎ 702 ✎ 703 ✎ 704 ✎ 最新
拡大
縮小
国際通貨基金と世界銀行の年次総会の正面玄関前
IMFと世界銀行の年次総会が10月にモロッコで開催(写真:アフロ)

10月9〜15日に国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会でモロッコに集まった各国の財務相と中央銀行総裁は、経済と地政学上の惨事が重なる異様な事態に直面することとなった。ウクライナと中東の戦争、低・低中所得国における債務不履行(デフォルト)の波、中国の不動産不況、長期金利の世界的上昇──。こうしたことが、世界経済の減速と亀裂の広がりを背景に次々と起こっている。

だがベテランのアナリストたちを最も驚かせているのは、予期されつつも今のところ起こっていない惨事のほうだ。金利上昇とドル高という相当な向かい風にもかかわらず、主要新興国のいずれも過剰債務に苦しんでいるようには見えない。メキシコ、ブラジル、インドネシア、ベトナム、南アフリカ、そしてあのトルコでさえも、だ。この結果にエコノミストたちは頭を悩ませている。これは「嵐の前の静けさ」にすぎないのか。

次ページ粘り強さの背後にある最大の要因は
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内