SNEリサーチのデータによれば、1~8月に全世界で販売されたEVとPHVは合計870万3000台に上り、前年同期比41.3%増加した。販売全体の伸び率は以前より低下してきたものの、(高級車よりも)相対的に安価なエントリーモデルの販売が拡大し続けているという。
自動車メーカーの立場では、これは(車両の生産コストに占める比率が大きい)車載電池のコストをいかに抑えるかが、ますます重要になっていることを意味する。
こうした背景から、中国の電池メーカーが得意とするリン酸鉄系リチウムイオン電池の調達を世界の自動車メーカーが増やしており、中国勢の市場シェア拡大につながっているのだ。
韓国と日本は「三元系」に集中
現在主流の車載電池には、正極材料の違いによって三元系とリン酸鉄系の2種類がある。三元系はエネルギー密度が高い半面、コバルトやニッケルなどの希少金属を使うため製造コストが高い。リン酸鉄系は(電池セル単体の)エネルギー密度は三元系に及ばないが、製造コストと寿命の面では勝っている。
メーカー別では(リチウムイオン電池の技術開発で先行した)韓国勢と日本勢が三元系電池に特化しているのに対し、(後発の)中国勢はリン酸鉄系電池を主力に据える。
中国メーカーはリン酸鉄系電池を絶えず改良すると同時に、電池パックの構造を見直して(同じ容積に)より多くの電池セルを組み込めるようにすることで、単位重量当たりのエネルギー密度を高めてきた。
その結果、大部分のEVがリン酸鉄系電池で必要十分な航続距離を確保できるようになったことも、中国勢のシェア拡大の追い風になっている。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は10月14日
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