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世界の選挙を揺るがす、AIによる「2024年問題」 24年、45か国の選挙でAI利用は何をもたらすか

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米国ワシントンD.C.のホワイトハウスのルーズベルト・ルームで演説するジョー・バイデン米国大統領
2024年の大統領選挙で再選をめざすバイデン米国大統領(写真:Chris Kleponis/Bloomberg)

生成人工知能(AI)が民主主義に与える影響を予測するのは難しい。潜在的な用途の大部分は未知であり、用途には事実上際限がないように見える。この技術が民主主義にもたらす影響には、選挙と統治の仕組みを変貌させる直接的なものと、情報環境・国民の信頼・世論の基盤そのものを揺るがす間接的なものとがある。

直接的な影響に関して言うと、生成AIは政策の潜在的な帰結について一段と正確で細かな理解を可能にすることで、政策形成に革命をもたらす可能性がある。例えば、「クライメート・チェンジAI」といった組織は「頻度と厳しさを増す極端気象イベントに対応した道路・電力・水道インフラの設計のあり方」を探る目的で、すでにこのテクノロジーを利用。法執行機関も監視や予測警備に生成AIを使っている。

偏りと不透明性の可能性も

一方で、生成AIが選挙に及ぼす影響に対する懸念は強まっている。2024年には少なくとも45カ国で選挙が行われる予定で、そこには国際的に重要な米国の大統領選挙や欧州連合(EU)の欧州議会議員選挙も含まれる。

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